ドラキュラは雄の吸血鬼だが、雌の吸血鬼はカーミラという。
カーミラはアイルランド人の作家レ・ファニュが書くところの
怪奇小説の主人公で、吸血鬼になる前は伯爵夫人だった。
(ドラキュラは伯爵だ)
吸血鬼の小説としては
1897年のドラキュラより「カーミラ」が
4分の1世紀早く書かれている。
カーミラは雌の吸血鬼だが、女性を狙う。
ドラキュラにしろカーミラにしろ
そうそう女性ばかり狙うのではたまったものではない。
吸血鬼に血を吸われた女は吸血鬼として蘇るわけで
彼らがことごとく成功するならば
世の女はすべて吸血鬼になってしまう。
すると吸血鬼の餌である通常の女がいなくなるのだが
これは困りはしないのか。
吸血鬼の同士討ちがはじまるのか。
それとも節を屈して、この際男の血でもいいや、
ということにするのか。
うわ〜、体育会系の血だ、ぺっぺっ....なんてことで
病気になったりしないのか。
つまらないことが心配になってくる。
ところで、吸血鬼に寿命は存在しない。
そのせいか、吸血鬼はいつも若く美しい(ことになっている)
それは羨ましい限りではあるが
誰かを好きになっても、
必ず相手がさっさと年を取って死んでいくのは
いかがなものだろうか。
思えば吸血鬼は異常に孤独な存在なのだった。
今日放送の Tokyo Copywriters' Street は
鏡に映らない女の話、つまり吸血鬼のストーリーです。
佐倉康彦さんが書いてくれました(さ)
Tokyo Copywriters' Street 原稿と音声はこちら
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