眠ってしまう映画がある。
それは私が眠いということで誰でも眠いわけではない(と思う)
短い映画のくせに、
たちどころに眠りの世界にひきずりこまれたのは
カール・ドライヤーの「ガートルード」
これは3回チャレンジしてやっとエンディングを見た。
この監督は「カール・ドライヤー」で検索すると
「マイナスイオンで髪を乾かす」などという記事が
たくさんヒットするのも困る。
次に
G・W・パブストの「パンドラの箱」
美しい映像だったが
無声映画のくせに死ぬかと思うほど長くて
途中何度も気を失い
巻き戻しを繰り返してやっとクリア。
さらに、こんなに大好きな監督なのに
たいへん申し訳ないのだが
キアロスタミの「ホームワーク」
子供の声を聴いてるうちに心地よく眠ってしまう。
いまのところ2度チャレンジして敗退している。
単調な風景をクルマが行ったり来たりする映画「桜桃の味」は
ちっとも眠くならなかったのにどういうわけだ。
そして今日、昼寝の友になってくれたのは
パトリス・ルコントの「ドゴラ」
これはカンボジアの映像と音楽だけの映画で
しょっぱなのオーケストラのシーンで
早くも「寝るぞ」という予感があった。
おかげで夜中になってもちっとも眠くならない。
これらの映画のどこに睡眠作用があるのだろう。
長いというのは理由ではない。
アンゲロプロスの180分は寝なかった。
眠くなるほど心地よいというわけでもない。
「ガートルード」などは
絶え間なく突っ込みを入れたくなる。
では退屈なのかと訊かれるとそうだとも言えない。
「ホームワーク」は当時のイランの子供たちの実情が
よく伝わってくる映画で、何とか最後まで見たいのだ。
なのに寝てしまう。
映画を見ながら寝ない方法というのがあれば
ぜひ教えてもらいたいと思う(さ)