チャバネセセリは初夏からいるが
秋になるとよく見かけるようになる。
それは赤とんぼのように暑い盛りを山へ避暑に行っていたのが
涼しくなって里に下りてくる、というわけではなく
チャバネセセリの個体数が単純に増えているからだ。
チャバネセセリは幼虫で越冬する。
イネ科のススキやチガヤの葉が食草で
その食草の葉を丸めて巣をつくるのだが
越冬できる地域は関東の南あたりまでだ。
面白いことに、春に生まれたチャバネセセリは
気温が上昇すると
世代交代を繰り返しながら北上するのだが
越冬できない地域では冬になると当然滅亡する。
それでもまた春になると果敢に北への挑戦を繰り返すのだ。
この学習しない能力は何のためか。
寒さに強い種族を生み出したいのか。
その先の日本へ行きたいのか。
単につむじ曲がりの性格なのか。
どうもよくわからないのだった(さ)