教育の成果はなかなかあらわれないことになっているが
一方で「雀百まで」という言葉もある。
ひとたび覚えてしまったことは死ぬまで忘れない。
私は自分が生まれた町にはバーも飲み屋もなく
水商売の女の人もヤクザもいないと信じて育った。
繁華街と盛り場は隣り合わせだが
巧妙に遠ざけられていたわけであるし
高校も卒業しようという段になっても気づかない私が
かなりおめでたいともいえる。
ヤクザ映画に類するものも見てはいけないと教育されたので
たいへん困った話であるけれども
昨日まで「Godfather」という映画を見たことがなかった。
私にとってGodfatherはヤクザ映画だったのだ。
「仁義なき戦い」も実のところ
川谷拓三さんの追悼のようなラジオCMを作ったときに初めて見た。
これは自分史のなかでかなり最近の出来事に属する。
さらに男女が絡み合うシーンのある映画は
DVDでそこだけ早送りをしてしまう習性がある。
恥ずかしくて正視できないのだ。
昨日中古屋で買った「Godfather」のDVDが届いた。
私の財布にかなり負担をかけたものであるので
全収録時間12時間43分と書いてあるにもめげず
どうにか見はじめたのだが
この偉大な映画の暴力シーンに
「ずいぶん乱暴な人たちがいるのね〜」と
心の片隅で子供のように思ってしまう自分がいた。
教育の成果は恐ろしいものだと思う。(さ)