芋川温泉から山に入ると雪だった。
写真は紛れもなく2008年4月27日の銀山平である。
銀山平は芋川温泉のさらに奥の上折立というところから
シルバーラインを通って行く。
シルバーラインといっても全長22Kmのうち18Kmがトンネルだ。
もともと奥只見ダム建設のためにできた道路...というかトンネルで
奥只見ダムの手前に銀山平がある。
銀山平は開高健が「夏の闇」を執筆するために滞在したところで
当時は尺のイワナが釣れたそうだ。
開高健は1969年から「フィッシュ・オン」を週刊誌に連載し
その誌面で銀山平も取り上げたが
それによって大イワナが注目されることになり
1971年には大イワナも大ニジマスも姿を消してしまった。
開高健を会長とする奥只見の魚を育てる会が発足したのは
1975年のことだ。
イワナの産卵は秋から冬の初めで孵化は真冬。
稚魚は生まれた場所に留まり
雪解けの大水に流されて川全体に分布する。
トンネルを抜けると劇的な雪だった。
銀山平の雪はやっと溶け始めたばかり。
左右の道路も閉鎖されており
そばを流れる川にはイワナの子供たちが眠っている...
と、信じたい。
早くも禁漁区の駐車場で釣り竿を持つ人を見たが。(さ)