佐梨川と書いて何と読むか知らないが
芋川温泉はその川の岸辺にある。
数十本の杉木立に囲まれている。
杉の根元には苔が生え
ショウジョウバカマやイワウチワの花が咲いている。
1本だけ紅葉の木があって
いま赤い新芽をつけている。
お湯は単純アルカリ泉で
体温より低いお湯を加熱しているが
温泉にうるさい秘湯会もいいお湯だと言う。
そんな温泉に行ってきた。
何度も書くのだが
秘湯会は世界最小規模の団体で
会長と副会長しかいない。
私はゲストとして参加させていただくので
寒かろうが飯がまずかろうが
文句を言える立場ではないのだが
今回の温泉は温泉大魔王林屋創一氏の推薦だけあって
非常に優れた温泉だった。
芋川温泉は一軒宿で宿の規模が小さく
客が多いときだけ近所の人が手伝いに来る。
従業員らしき人はいない。
朝晩のお膳には山菜が並び
しっかりものの女将さんが山菜の名前を教えてくれる。
アザミ、コシアブラ、アケビのツル...
初めて食べた山菜も多かった。
昼前には白髪のおばあちゃんが
ほがらかな声で歌いながらシーツを替えにくる。
朝晴れたかと思うとシャワーのように雨が通り過ぎ
また日射しがもどる。
そんなお天気も宿の演出かと思えるほど
いい雰囲気だったのだ。
これから温泉の話題がしばらく続くと思うので
まず宿の良さをはじめに言っておきたい。
どんなお笑いネタに出会おうとも
それは宿のせいではない。(さ)