2005年の3月のことでした。
中国の北西部で死にかけているユキヒョウの子供を牧夫がみつけて
地元の救助団体に連絡しました。
そのとき、ユキヒョウの動く部分は目と前足のみ。
脊椎損傷で横たわったまま
死を待つ状態でどれほどの日数を過ごしたのか、
極度に痩せ、脱水しており、低体温症にもなっていました。
病院で3日間の救急治療の後、生きられる可能性を見出すことができました。
動かない身体を引きずるように、
餌を食べるために這ってわずかな距離を進んでいました。
力が入るのは前足だけ。前足だけで這うのです。
肛門に体温計を差し込まれても怒らないけれど、
後ろ足の傷の手当ては痛そうな顔をしました。
そのうち手足が動かなくならないように
マッサージを受けるようになりました。
マッサージは気持ちよさそうでした。
病院でMRI検査をすると、運動能力回復の見込みがあるようでした。
ユキヒョウの子供はまだ前足一本に力を込めて這っているし、
食事も横たわったままだけど、
望みがあることが自分でもわかるのでしょうか。
そのうち左右の前足を変わるがわる出せるようになり、
足も少しは使えるようになると、這うスピードが早くなりました。
このユキヒョウの名前は、Ling Xiaozhe(リン・シャオゼ ♂)
現在でも神経損傷の影響から脱しておらず、
ユキヒョウの本来の動きができるほど回復していないようです。
野生復帰の試験には落第したようですが
現在は西寧野生動物園(青海野生動物救護繁殖センター)の人気者です。
私はこのユキヒョウが前足で這うシーンを見て
生きようとする力に感銘を受けました。
自分を助けてくれた人々に対する信頼の強さにも驚きました。
生き物ってすごいです (さ)