近ごろ楽浪(ささなみ)さんがよく食べているのは大王のご飯です。
水分の多い缶詰で、オシッコ詰まりの持病を持つ大王が
水分が多いものを好むのはありがたいことです。
とはいえ、できれば猫のみなさんには
好き嫌いのない食生活を送ってもらいたいですから、
2年ほど前に楽浪さんにも大王好みの缶詰を食べてもらおうとしました。
いや、一度は食べていたのです。
うちへ来て最初の1ヶ月はケージで暮らしていましたが、
そのときは何でも食べていました。
ところが、ケージから出て女王化への道を進むにつれて好き嫌いが明瞭になり、
いまや食べるものがかなり限られた状態です。
楽浪さん、楽浪さん。大王が好きな缶詰も食べてみませんか。
「ふんっ!」
昔は食べていたじゃないの。
「いまは嫌い」
まあ、こんな状態でした。
しばらく努力をしましたが、まったく食べようとしませんでした。
ところが、食べている.....バクバク食べている.....
どうなっているんだ、いったい。
自分に出されると嫌だけど、大王のものは食べてみたい。
もしかしたら、そんな心理かもしれません。
ひねくれた考えや言動をする人を天邪鬼(アマノジャク)と言いますが、
猫にとっては天邪鬼な生きかたが素直な生きかたなのかも。
ちなみに大きなお寺に行くと仁王さまの像があって、
仁王さまは小さな鬼を踏みつけていますよね。
あの小鬼が天邪鬼です。
たぶん、悪さをしないように踏みつけているのでしょうけれど、
天邪鬼の魂はとっくに猫に憑依しているのでは? (さ)