♪貝それは〜というアホな歌を歌うのをやめまして、
もう貝は食っちゃったので歌う意味もなくなりまして、
真面目に「ポーの一族」のDVDを拝見いたしました。
元タカラヅカの人が二人ほど感想を求めていることでもあり、
そうなんですよ、素顔を知っているあの人がですね、
昔はこのメイクをしてたのねって余計な想像しながら
DVDのポーズボタンを押したりなんかしてたんで
なかなか本題に入れませんでしたが、
2時間余りのDVDを倍くらいの時間をかけて拝見しました。
(ラインダンスも拝見しました)
しかしまあ、よく2時間にまとまったものですね。
演出えらいぞっと思いました。
漫画の「ポーの一族」は時系列がバラバラに発表されていまして、
6作めがそもそもの物語の発端なのですが、
舞台では時系列が整理され、
第2場のAのシーンでエドガーとメリーベルが森に捨てられる発端で、
それ以降はちゃんと順を追って物語が展開しまして、
エドガーがアランを仲間に加えるシーンでエンディングです。
これを入れると話がややこしくなるというような部分は
たいへん上手に説明だけで済ましてありまして、
これも演出えらいぞって思いました。
あとですね、役者をどうやってかっこよく見せるかということに
徹しておりましてですね、
そうか、これがタカラヅカなのかって思いました。
さて、主演の二人がエドガーとアランに見えるか問題です。
もともと私はあの二人を生身の人間が演じるのが嫌で
萩尾さんのマネージャーの城さんから「チケットを」という
お申し出があったときも謝辞したくらいですから、
かなり疑い深い心を持って見ていたわけです。
まあその、14歳の少年に見えるかというと、見えません。
そりゃ無理です。だって背も高いし。色っぽいし。
歩み寄って高校生?
高校生が学校を中退してホストクラブで働いているみたいな?
でもね、感じ悪くないんですよ。
これがエドガーとアランだって言われたら、反論はしないです。
あっそうですかって言えると思います。
主役の顔を作った人もえらいです(ヘアメイクさん?)
そういえば、気づいたのですが
ストーリーが時系列順に整理されて
必要な要素だけで芝居が組み立てられると
エドガーはずうっと悩んで反抗しているのだなあ。
原作だと安らぐひとコマがあったり、かわいい表情の絵があったり
連作のなかにホッとする短編がはさまっていたりして、
それが少年らしいかろやかな雰囲気をつくっていたのですが、
芝居からはそういうものが当然ながら消滅しています。
「エドガーくん、こんなに悩んでいたのか、
昔はわかってあげてなくてごめん〜〜」って思ったり、
萩尾さんの漫画の構成って洗練されてるなあって
あらためて思ったりもしました。
思いがけずDVDで「ポーの一族」を見ることができまして
萩尾さんに感謝です。
タカラヅカのエンターテイメント凄いです。
アンサンブルきれいだしな〜(それを褒めてどうする)
「ポーの一族」の原作にはまだエピソードがたくさん残っているので
続編や続々編ができて、
やがてそれらが同時上演される日が来たら面白いでしょうね。
そしてですね、
プログラムを見ると挿入歌をいくつも萩尾さんが作詞していました。
いっ、いつの間に....
DVDは買ったけどプログラムは持っていないという人のために
リストアップしておきますと、
萩尾望都作詞の歌は「ポーの一族」「エドガーの狂気」
「ゆうるりと」「時の話」です (さ)