「痛かったら言ってください〜」と歯医者がいうので
遠慮なく「痛い」と訴えた。
「すみません〜〜」という返事が返ってきた。
それだけかい?
それだけだった。
おかしくて笑いたくなった。
そういえば歯医者でときどき「顔の筋肉を緩めてください〜」と言われるが
笑いをこらえていると顔の筋肉は突っ張るのかしら??
苦難の歯医者を終えて、さて何か食べようと思った。
じわっと痛いし、食事どころではないのだが腹は減っている。
中華のお粥を食べたいな。
お粥ならチリレンゲで食べられるから痛いところに触らないだろう。
しかし、手近なところにお粥の店はない。
ではスプーンで食べられるものはないか??ピラフとか??
う〜ん、いまいちだなあ。
悩むうちにもどんどん会社へ近づいてしまう。
このままでは昼飯抜きだ。まずい。
そういえば、あのダッサ〜イ喫茶店にグラタンがあったな。
名前を口にするだけで恥ずかしいような喫茶店が新富町にあって
ランチをやっている。
食べると夕方まで胸焼けがするが、
タバコが吸えるし飲み物がセットになっている。
よし、あのダサイ店だ。
グラタンを頼んだ。
フォークで少しづつ口へ運べば大丈夫だろうと思った。
焼けている白いソースにフォークを入れたら、
中身はケチャップで和えたスパゲティだった。
うわ〜〜、食べにくい上に何というか.....
それでもひと口食べたらそのスパゲティがぬるかった。
「冷たい」に限りなく近いぬるさだった。
自分の現状をかんがみれば熱々じゃないのは助かるはずだった。
しかし、そこに考えが至る前に思わず声を出していた。
「すみません、グラタンの中身が冷たいです」
グラタンは店のおばちゃん二人が大騒ぎで温め直してくれた (さ)