「冬瓜」は夏野菜ですが冬の瓜と書きますね。
一応その理由として、丸のままなら冬まで保存できると言われています。
冬に収穫するからではなく、
夏に収穫して冬まで保存がきくから冬瓜。
ものの名前って面白いものですね。
さて、6月頃からかな、冬瓜を食べたいと思いはじめます。
なんでこんなもんを食べたいんだろう。
癖がない...というより味というほどの味がありません。
それをコトコト炊いて、味を含ませて、冷やして食べます。
噛むというほどの力もいらず、口を閉じるだけで潰れて溶けるような柔らかさ。
そこからにじみ出るおいしい出汁。
そうそう、味がないのでこの出汁が重要です。
うちの出汁は昆布と煮干しですが、冬瓜のときは昆布たっぷりで
なおかつ干し貝柱を加えることもあります。
そして味はごくごく薄味です。塩に醤油をひと垂らし。
で、こうして炊いた大事な大好きな冬瓜ですが、
なんということでしょうか、それだけだと飽きるんですよ。
まあ本当にわがままですね。
冬瓜ばかり食べていると、
おいしい吸い物の汁ばかり飲んでいるような気がしてきます。
いくらおいしくても汁だけじゃいやんてなことで合いの手が必要です。
「冬瓜とオクラと海老の煮物」これは定番ですが、
なんかもっとさっぱりしたものを食べたくて、
「冬瓜と湯葉とインゲン」にしてみました。
湯葉は生湯葉を売っていたので使いました。
インゲンは彩りですけれども、しっかり味をつけますよ。
どうせ添え物だから茹でただけだろう、味はないだろうという考えの
裏をかくわけですね。
三種の中ではインゲンがいちばん味が濃いと思います。
冬瓜と同じ出汁で、塩味も濃いめにしてちょっと炊いて、
火を止めて味を含ませます。
あ、そうだ。説明を忘れていましたが、
こういう焚き合わせは材料ごとに別々に炊きますよ。
冬瓜も湯葉もインゲンも一緒の鍋で炊いたりはしないです。
そこんとこよろしくねって冬瓜が言ってます (さ)