
洗面所は同時に脱衣所でもあるので
普段はあまり窓を開けないのだが、
お天気はいいし、休日だしというので少し開けてみたら
さっそく胡留さんがやってきた。
いつもは庭に面した窓ばかり見ているので
こっちの窓が珍しくてたまらないらしい。
お向かいさんの垣根にはバラが咲いているし、
あの赤いのは何だろうと思っていたかもしれない。
窓枠に前足をかけて10分くらいじっと外を眺めていた。

そして大王は大王で日が暮れてから庭を通りかかった他所の猫に
ワオワオワオワオ吠えかかって近所迷惑なほどうるさかった。
鳥が来ると変な声を出すし、
猫やハクビシンには尻尾をブラシのようにして吠えるし、
実にやかましい。
胡留さんは吠えない。何が来ても大声を出さない。
他所の猫には興味を示さないし、
ハクビシンを見ると黙ってフリーズしている。
大王が無礼をはたらくと静かに睨み倒す。
この胡留さんの極端な静かさと大王の極端な賑やかさが
あまりに対照的で
足して2で割ると程良い猫が二匹出来上がるのではと思うのだが、
それはそれで平均的で面白くないんだろうな。
あらっ、いま胡留さんが庭に面した窓に走って行って
じーっと何かを眺めているのだけど
猫かネズミかハクビシンか、どうもわからんなあ (さ)