写真は築地のマグロ屋さんですが
小さめのサクになっているマグロがずらり並んで
「お好みの数量又は価格にカットいたします」とあります。
その左横に「We cut it as you like by weight or price」と英文が。
写真には写っていませんが、左に狭い台があって
そこで切ってもらったマグロを食べている人もいました。
近ごろは玉子焼きも貝の煮たのもおでんのタネも
串に刺したり発泡スチロールの小皿を使ったりして
ひと口サイズの小売をする店が増えて
食べながら歩いている人がずいぶん増えましたが、
まさかマグロの立ち食いができるようになるとは驚きです。
年末の築地は買い物客でごった返していましたけれども、
こういうの見ると、市場というより観光地だなあと思います。
ところで、写真の英語ってなんかおかしくないですか。
「「We cut it as you like by weight or price」」
と書いてあります。
私は英語は0点というよりマイナス10万点なのですが
それでも変だと思って我が家の大王グループの住人にきいてみました。
大王グループの住人は英語の達人です。
大王グループの住人の役に立つ特技といえば
高いところにあるものをとることと英語くらいなので
さっそく役立ててもらいました。
「おかしい」と言います。「あんたがよく気づいたね」ともほざきます。
ええ、英語はわからなくても間違いはわかるんですよ、なぜか。
たぶん、あまりに直訳の匂いがしたんでしょうね。
「このitが何を示しているかわからない。」
「weight or priceがおかしい。」
「日本人が書いた英語とネイティブが書いた英語はすぐわかる。」
大王グループの住人はいろいろ意見を述べていました。
こんな短文によくこれだけの文句が言えるものです。
しかし、私たちは八百屋に並んだ大根は重さが違っても同じ値段だけど
マグロは1ピースの重さや、赤身かトロかというような部位の違いで
値段が違うことを知っているわけですが、
さらに冷凍か生か、マグロ本体の品質の問題もあるわけですが、
そういうことを英語圏の皆さまにご理解いただくのは
むづかしそうですね。
マグロはどういう売りかた食べかたをするのか知らないと
日本人でさえ「お好みの数量又は価格」という日本語が理解できません。
だってね、一本のサクを刺身に切ることがわからないと
「数量」ってなんだよって思うじゃないですか。
「お好みの数量または価格にカットいたします」という短い文は
日本の食文化を背負っていたのですね。頑張れ、築地。
ところで、大王グループの住人が
「ネイティブなら別の言いかたをするだろうけど」とことわった上で
英文を作ってくれました。
"we cut tuna into any size as you order."
weightもpriceもなく「お好みにカットいたします」ということですね。
アタマが痛くなる日本語英語よりこっちがわかりやすいなあ (さ)