生涯二度めの失敗だった。
最初はコトランだ。うかうかとカニ缶を食べさせてしまった。
コトランはそのときまだチビ猫に毛が生えたようなものだったが
カニ缶がすっかり気に入り
それをしまってあった戸棚を開けるたびに♪カニだカニだ〜と
喜び勇んで走り来るようになってしまった。
忘れさせるにはしばらく時間がかかった。
そして昨夜のことだった。
ハエタローが食べなくなっていた、
お腹が空かないのではなく、
口のなかが痛いので食べるという行為が鬱陶しくなってしまうのだ。
そろそろ点滴の時期だ。明日は医者に連れて行こう。
そんなときにスーパーでカニの足の肉を売っていた。
ハエタローはなぜか安いカニかまが好きだが、本物のカニはどうだろう。
きっと食べるに違いない。
買って帰ってタラを食べている最中のハエタローにあげてみた、
飛びつくようにして完食した。
ハエタロー、歯肉炎はどうした??
夢中で食べている。もうタラもカニかまも眼中になかった。
食べ終わるともっとないかと家のあちこちをさがしまわっている。
カニはそんなところに落ちてないってば。
ますいことをした。カニを気に入り過ぎている。
カニは決して猫に食べさせてはいけない。
猫はカニの味を忘れない(さ)