上の写真は山芍薬の種だ。
山芍薬は春5月ころに白い花を咲かせる。
以前、日陰にひと株だけあったときは
陽当たりが悪いせいか花びらの白が透き通っていて
これは天上の花だと思った。
同じ頃にイチヤクソウもひと株だけ庭に生きていて
こちらは地の星だと思っていた。
それから天の花も地の星も弱って消えてしまい
ある日、園芸市でまた山芍薬を買って
こんどは少し日が当たるところに植えた。
光合成がうまくできるようになって多少は栄養がいいせいか
まだ枯れずに花を咲かせるが
あの儚げな花びらの透明感はなく、もう天の花とはいえない。
しかし、白い花である。白い可憐な花に違いはないのに
この種の毒々しいまでの色はなにごとだろうとびっくりする。
あの真っ白な花のどこにこの赤や黒が潜んでいるのかと
さきほど写真を見てみたら
花の芯の部分に種に似たような色があった。
やはり間違いではないのだ。
春は白ばかりが目立っていたけれど
季節が変わって、もともと持っていた他の色がクローズアップされたのだ。
人にもこういうことがあるかもしれないとふと思ったり
それにしても白い花からは想像できないほどたくましそうな種だと
感心してみたり
この種が土にもぐって新しい山芍薬が生えてくれないかしらと
欲張ったことを考えてみたりしているのだった(さ)
(下は山芍薬の花。
日の当たるところに植えると同じ白でもなんだかたくましい)