たいへんややこしいことになっている。
まず愚猫は餓鬼道ともいうべき大食欲が翳りを見せている。
これは缶詰のキャットフードに茹で野菜をまぜて増量する作戦が成功し
量的な満足を堪能しきったおかげだと思う。
もう野菜は必要ないくらいの分量で一日が過ごせるようになった。
しかも一度に食べきらずに残すようになった。
さらに食欲しか興味のなかった人生に少し彩りが戻ってきたようだ。
期待に満ち過ぎた観察結果を報告するならば
ボケが多少緩和されたかもしれない。
しかし、愚猫が残したそのご飯を
困ったことに缶詰ではなくドライフードをハエタローが狙うようになった。
ハエタローは一日の必要カロリーを缶詰だけでは摂取できない。
ハエタローに必要なカロリーの目安は、4kg(体重)×80kcal=320kcal
これに外で活発に活動する分の割り増しがいる。
缶詰ならば7~8食は食べていただきたいところだが
このところ絶好調な時期でもその半分くらいしか食べない。
そこでハエタロー専用のコーヒーミルを買ってきて
高カロリーのドライフードを粉にして缶詰のフードにふりかけていたのだが
もともとドライフード好きなハエタローは粉よりまるごとがいいに決まっている。
窓からハエタローが飛び込んでくる。
おお、来たか、ハエタロー♪
アタマを撫でる間があらばこそ、台所へ突進してカリカリという音をたてている。
あ〜〜、いかん、また食べている。
ハエタローは歯肉炎なので固いものは医者に禁じられている。
やってくる時間がわかっていれば片付けておくのだが
ハエタローは神出鬼没である。
さて、ハエタローの天敵小茄子くんは体重が8キロもある。
うかがってみると大食いではない。そんなに食べていないのだが
なぜか8キロだからすごい。
先日、小茄子くんの飼い主に愚猫の野菜作戦を報告したところ
ピンときたものがあったらしい。
小茄子くんの飼い主もいま野菜作戦を決行している。
野菜はほぼノーカロリーと計算できるので増量にはピッタリなのだ。
小茄子くん、野菜たべますか?
「ウハウハ食べてます」
愚猫が野菜を食べるに関しては獣医から「世界でも希な」といわれたが
小茄子くんも「世界でも希な-2」ではないか。
こんなご近所に「世界でも希な」が二匹もいていいのだろうか。
ただ、愚猫は野菜で満足して餓鬼道から脱出したらしいが
若い小茄子くんにとっては、野菜は腹持ちが悪く
食べたはずなのにすぐにお腹が空くので機嫌がいまいち悪いらしい。
この三匹の猫の食事事情は今後どのように展開していくのだろうか(さ)