このショットバーは昭和35年に住宅街の駅近くにオープンして
そのままずっと同じところにいる。
マスターは昭和5年生まれというから80歳を過ぎている。
手伝いの人はおらず、ずっとマスターがひとりでやっている。
店が開店したてのころの酒の値段が
さあいくらだったでしょうか、と思い出してくれる。
あまりに昔でしかと定かではないという前置きで
いちばん安いウイスキーのショットが30円
ハイボールにして40円ではなかったかという。
その頃はトリスが1本300円ほどだったそうだ。
有線放送で昭和な音楽が流れている。森山良子だ。
♪ 人はなぜに死んでゆくの (こら、何をほざくか)
♪ 恋人たちさえもいつか〜 (おいおい)
♪ 愛し合ったふたりのため (ああ、ロクでもない言葉がつづきそうだ)
♪ 永遠の命だけが欲しい (うるさいわっ!)
昭和な店と昭和な酒には十分ひたれるのだが
昭和な歌のノーテンキさは突っ込みたくなってどうも困る。
人は同じ時代にとどまっていられないんだな〜、やっぱり(さ)