5日は14時ころだったか安西亭から電話があった。
「打ち合わせがてら飲みに行こう」
飲みに行くのは歓迎だけれど昼からどこで飲むのだろう。
すったもんだの末、安西亭が別件打ち合わせをひとつ忘れていたこともあって
結局は幡ヶ谷駅に17時半集合になった。
薬膳中華のうまい店があるという。
さて、その店は幡ヶ谷の
おそらく都内でも屈指の寂れかただろうと思われる駅ビルにあった。
「龍口酒家」という名前の店だった。
席につくと酒と点心と麺と飯のメニューがある。
肝心の料理はおまかせでストップというまで次々に出て来る。
串の坊の中華バージョンか。
しかしひとり5000円見当だとメニューに書いてあるのが親切だ。
最初は皮をパリパリに焼いた骨つきの鶏とカブの甘酢漬けが出た。
次が菜の花とアスパラの合の子だという青菜の炒め、干しエビ入り。
黄ニラとカリカリのベーコン、海老団子、スナップエンドウ。
ううむ、みんなおいしいぞ。
仕上げは麺をたのんだ。
ぎゃ〜、緑色の麺だ。茶蕎麦かこれは、しかも海苔のような匂いがする。
「だから〜、クロレラ入りってさっき教えたじゃないの〜」
あ、そうでした、クロレラでしたか。でもクロレラって何ですか?
「モ」
へっ?
「海草みたいなやつ。藻。」
ははあ、藻ですか。それで海苔みたいな匂いなんですね。
正直に書くと、クロレラ入りの麺以外はみんなうまかった。
クロレラ麺は、うまくないことはない。
うまくないというわけではないのだが、
強いてクロレラを混ぜなくてもいいのにな〜という感じがするのだ。
そのへんがどうも奇妙といえば奇妙だが
しかし何度か通って発掘すると他にもたくさん奇妙が出てきそうな店だった。
うまいだけではない、どこか変な店なのだ。変だけどうまいのだ。
きっとコアな愛好家がいるに違いない。
そういえば、本来の目的は仕事の打ち合わせだったのだが
そちらの方は安西亭が名前を忘れてしまった営業の人を私がさがしだして
安西亭が忘れてしまったオリエンの内容を私がきくことになりました。
これを読んでお心当たりのあるかたはご連絡くださいね(さ)
*写真は龍口酒家の薬酒の瓶。左端は蟻の酒(ぎゃ〜)