通勤のときに見かける庭が
気づいたらドクダミガーデンになっていた。
去年まではこうではなかった。
数本の木と数種類の草花のある普通の庭だった。
いや、一ヶ月前もこうではなかった。
ドクダミは目立たず、他の植物が生えていた。
それがいまや樹木を覆い尽くすほどに背丈が伸びたドクダミに
すっかり占拠されてしまっている。
昼間でも雨戸が閉まっているところを見ると
主の不在を狙ってドクダミ部隊が侵攻したらしい。
十年前、引っ越してきたばかりのときは
私の庭にもドクダミが少々生えていた。
ドクダミの花は白くてかわいいが
うっかり愛でていると庭全体がドクダミになる。
根っこの破片でもあると必ず芽を出して繁殖する。
私はドクダミを抜き、根を掘っては抜き
また生えてきたドクダミを抜き、三年かかって根絶した。
ドクダミはその後数年の間姿を見せなかったが
どこかから種が飛んできたのだろうか
今年また3本ばかり生えてきたので、また抜いた。
ドクダミはこのように日々の戦いが大切で
いかに弱小に見えようとも放っておくと必ず大軍に成長する。
そうなると手がつけられない。
引っ越したばかりの庭には数本の茗荷もあったが
これも愛でていると茗荷の庭になってしまうので抜きに抜いた。
さらにヤブカラシまで生えたことがあり
こいつは放っておくとその名の通り藪も枯らすほどの勢いで繁殖するので
またもや見るたびに抜きまくった。
いま私の庭にはドクダミも茗荷もヤブカラシもないが
たとえば一年留守をするようなことになると
何が起こるか想像するのが怖い(さ)