消えていた眼鏡があらわれた。
台所の卵ケースの中にあった。
眼鏡は写真のごとき色と形と素材であり
パソコンのグレーっぽいコードと紛らわしく
なくしてもいないのに「ない!」と慌てることがある。
卵ケースというのも、ほどよい保護色になるらしく
この眼鏡の隠れ場所としてはなかなかよくできていた。
木を隠すには森の中、人を隠すには人の中を考えた戦術家も
眼鏡と卵ケースというのは思いつかないだろうけれど
事実、眼鏡は数日間そこにひそんでいたのだった。
ちなみに、寝るまで使っていて、朝起きたらなかった眼鏡が
いかなる理由で卵ケースに入ったかの謎は
未だ解明されていない。
賢猫に訊ねても「知らない」というし
ハエタローは「撫でろ」と鳴くだけだし
愚猫はただ寝ている。
ところで、さきほど
Tokyo Copywriters' Street 大晦日特番に
放送したストーリーを5本すべてアップしました。
言葉のなかに言葉を隠したわけではありませんが
「お言葉」の下にあります。
左のカテゴリーから「スペシャル」を選ぶと
スクロールが多少ラクです(さ)
(それでもやっぱり「お言葉」の下ですが)
★Tokyo Copywriters' Street ブログ
http://tcss.seesaa.net/