「デリカテッセン」という映画は
そのタイトルから想像がついたので
え〜っ、人肉を食う話じゃないのぉ〜?と言いながら見たら
想像とはちょっと違った人肉を食う話だった。
つまり、そのアパートのケッタイな住民どもは
確かに人肉を食うのだが
映画そのものはファンタジーだったのだ。
気色悪くてキレイで笑えるファンタジーだった。
人が人を食べるという行為は古来より行われている。
十字軍が回教徒の肉を食ったのは有名な話だし
中国では人肉からなる漢方薬の記録もある。
イースター島では17世紀頃に人口の7割が消滅したが
その当時のゴミの集積場から人骨が発見されている。
たぶん、人が人を食べることは特殊なことではなかったのだ。
単なる食料として、また儀式として。
我々の遺伝子にはある免疫の痕跡が刻まれているが
それは人間の脳を食べることによってのみ感染する
プリオン病の免疫だ。
要するに我々は
共食い社会で食われずにすんだ、
つまり仲間を食い続けて生き延びたを子孫であり
同時に、共食いによる感染症(たとえば狂牛病のような)からも
生き延びた人間の子孫でもあるのだな〜(さ)