スダチが届かない。
8月にはもう注文のファックスを送ってあるのだが
やってくる気配がない。
気がつくともう9月の真ん中ではないか。
私が注文するスダチは皮が薄く果汁たっぷりで
ほとんど種がない。
これはある農園で栽培されているスペシャルなスダチだ。
それはいいのだが、果実の宿命として
雨が降らないと実らない。
田舎ではもう何年も何年も夏の雨が少ない。
それだけでも出荷が遅れるのだが
数年前からさらにえらいことになった。
農園のご主人は勤め人で、
勤めをしながら農園をやっていたのだが
それが転勤になってしまったのだ。
つまり、メインの労働力が土日に帰ってくるだけなのだ。
他に従業員がいるわけではないので
スダチの出荷は遅れに遅れる。
「さんちゃん農業」という言葉があって
父ちゃん、母ちゃん、婆ちゃんの三人の「ちゃん」で
やっている農業のことだが
このスダチの農園の場合は何というのだろう。
そういえば、4、5年前にゴッドマザーから電話があって
「スダチがえらいことになったんよ」
えっ!収穫できないんですか?
「ううん、スダチそのものはあるんよ」
でっでっでは????
「あんなぁ、スダチはあるんやけどな、箱がないんよ」
このときはいつもの1.5キロ入りの箱を
業者が作らなくなって
それ以来、1キロ入りの箱になってしまったのだった。
今年のスダチは大丈夫なんだろうか。(さ)