築地市場は日曜日と祝日と水曜日がお休みなのですが、
さすがに12月は日曜日と6日の水曜日を休んだだけで
あとは休日返上でした。
私たちが行く場外市場は自由営業日というのが認められていて、
休日でも営業している店がけっこうありますね。
このところ観光客が本当に多くなりまして、
用事のない人たちがたくさん歩いてるなあって印象があります。
こんなことを書きますと「用事がない」ってどういうことよと怒られそうですが、
私が市場へ行くときは目的があるわけです。
出汁に使う煮干しを買う、昆布を買う、包丁を研ぎに出すなどなど。
刃物屋の道筋に八百屋も魚屋もあって、
おっ、空豆が出とるなあ買って帰ろうかなあくらいの寄り道はしますが、
だいたいさっさと歩いて目的の店へ行き、さっさと歩いて帰ります。
用事のない人たちは、この「さっさ」がないわけです。
観光が目的ですから、ゆ〜っくり歩きます。
場外の店もだいぶ昔とは変わりまして、観光客を相手にするところが増え、
例えば玉子焼きの店でひと口サイズを串に刺して売るというような
工夫をしています。
そういえば私が長年昆布と煮干しを買っている店も改装をして
観光客が入りやすいファンシーな感じになりました。
改装後に初めて行ったときはびっくりしまして
「なにこれ、オリンピックが済んだら元に戻るの?」って訊いてしまいましたが、
どうも元に戻すつもりはないようです。やれやれです。
なにがやれやれかというと、用のない客が入ってくるわけです。
さしたる用事はないが、何かいいものがあったら買ってもいいぞみたいな客です。
私は店は入るや否や目をつけた煮干しを一匹失敬してバリバリと食べまして、
気に入ったら「これ3kg送ってちょうだい」で用事が済みますが、
用のない客は、これはなに?あれはなに?これとあれの違いはなに?という具合に
ひと袋のチーズ鱈を買うにも時間がかかります。
まあでも、あれですよ。そういう商売をしようと決めたんだから頑張ってくれ。
みんなネットで買い物をするようになって、
プロはともかく、場外まで足を運んで乾物を買う素人客は減っているに違いないし、
これだけ観光客が押し寄せているときに
いつまでも素人が入りにくい店を構えていたんじゃ商売にならないんだろうなと
想像したりします。
来年の秋には築地市場が移転してしまいますし、
残された場外市場はますます観光地になっていくのかもしれません。
そうそう、上の写真は火事があった一角です。
営業を終えて、火も使っていない人気ラーメン屋から出火という
なんとも不思議な火事でしたが、
ラーメン屋をのぞく何店かは仮店舗で営業しているようです。
来年は新しい建物ができるのかしら。
新大橋通りに面したこの一角が白い塀だとちょっと寂しいですね (さ)