大王はノーテンキな明るい性格の上に空気を読まないところがあるので
このところ弱ってきた胡留(うる)さんの腹に乗っかったりしないかと
ハラハラしていたわけなのです。
ところがですね、微妙に気をつけているようなのですね。
つまり、何日も食べずに弱った上にも弱っている胡留さんのことは
そっとしておいてくれるのです。
ところが胡留さんがちょっと食べはじめると
ワオワオと寄ってきてもたれようとします。
なるほど、「瀕死の胡留姉さん」と「上向きになってきた胡留姉さん」の区別が
ちゃんとついているんですね。
胡留さんはうちに来て4年が過ぎたところですが、
1年ほど前から肝数値が悪くなりました。
この1年、薬を飲ませても数値がよくならないので首をかしげていたところに、
食が細くなるという厄介な症状が出てきました。
肝数値は1年前と変わりません。
おかしいな....
うちに来たときの大王も肝臓が悪く、
数値はいまの胡留さんより悪かったのですが、
注射に通って薬を飲ませているうちにころっと治ってしまいました。
なぜ胡留さんはよくならないのだろう ??
薬を飲ませてもよくならない肝数値。
でも、食べなくなっても数値は悪化していない、ということは、
もしや、思っていたより高齢なのではないかしら??
DB先生にあらためて目や歯や爪をじっくり観察していただいた結果、
胡留さんには4年前になかった高齢の兆候がくっきり。
これはもう肝臓のせいというよりも高齢のせい??
弱っていく胡留さんに、大王が迷惑をかけたらどうしよう。
秋のはじめ頃、食が細くなって痩せてきた胡留さんに
大王は甘えて行って巨体でのしかかり
それが嫌な胡留さんは部屋の外で眠るという構図が出来上がりました。
それを発見するたびに
大王を大王グループの布団に入れて胡留さんを連れもどしていましたが、
今回の胡留さんの原因も大王ストレスかと疑ったことがあるくらいです。
そんな気持ちでここしばらく観察した結果、ギリギリでセーフと言いますか、
「瀕死の胡留姉さんはそっとしておくらしい」ことが判明しました。
ああ見えても大王にはちょっとだけいいとこがあるんですね。
胡留姉さんが全く食べなくなったときは
自分の寝場所でおとなしくしているようです。
ちょっとだけ安心しました。でも、願わくばすっかり安心したいなあ、大王。
だいたあんたはさ、近頃は胡留姉さんのお相伴にあずかって
焼きたてのうまい魚を毎日もらっているんだし、
少しは姉さんに遠慮して暮らしなさいよ。
ああそうそう、それからね、胡留姉さんがたいへんなんだから
こんなときに盗み食いしてオシッコ詰まらせないでくださいね (さ)