庭に猫がやってきました。
黒虎というにはちょっと薄い色の灰色虎です。
人を見ても逃げないので飼い猫かもしれません。
それはいいのですが、大王の反応がただごとではありません。
「ワオーワオー、ワワワアオー、グルウニャワオー、ウワンウワンワオー」
ありとあらゆる罵詈雑言を吐き散らしています。
よくもこれだけ言いたいことがあるものです。
灰色虎も逃げないし、大王も怒鳴るのをやめないし、
しかもこんなに大きな声がどこから出るんじゃってくらい、
住民のみならず近所中の迷惑だってくらいの騒々しさです。
いいかげんうんざりした頃に胡留(うる)さんが起きてきました。
「どうしたの、うるさいわね」
胡留さんはひと目で状況を見てとるや
「問題ないわ」とばかり近くのマットにごろん。
大王の怒鳴り声にもめげずに毛づくろいなどなさっています。
大王も大王だけど、
胡留さんの「我関せず」の徹底ぶりもすごい。
世間の塵埃と交わろうとしない姿勢がすごい。
まあその、大王と大王2号がいて
「兄貴、おいらも怒鳴りますぜ」ってんで二重唱の騒がしさになったら
ほんまにえらいことですから、
住人は家を捨てて逃げ出さなきゃいけないかもしれないですから
胡留さんがこうして落ち着いていてくれるのは本当にありがたいことです。
それにしても大王と胡留さん、
この二匹の性格の極端な違いが面白くてたまりません...が
やっぱりうるさいぞ、大王 (さ)