この高速道路は、昔は川だった。築地川と呼ばれる川で
その築地川ももとをたどれば川というよりは運河だ。
わざわざ掘った運河ではなく、
江戸時代にこのあたりの土地が造成されたときに
埋め残された部分だろうと思われている。
江戸は水郷で水運の町だった。
いまのタクシーやトラックのように、舟が堀(運河)を行き交っていた。
上の写真は、旧築地川の高速道路を見下ろした写真で、
手前の緑が楓の木、その左に実は桜もあるのだが
もう花が散ってしまっているので判然としない。
向こうに見える緑は柳の木で、柳は水のそばに植えるので
それを見て、ああそうか、川だとあらためて思った。
川が高速道路になり、水辺というものがなくなって
それでもこうして昔に植えた木の何本かが残るのは
うれしいような、いたましいようななんとも言えない気がする。
築地川の先は楓川で、楓川は「楓」と書いて「もみじ」と読むらしい
築地川と楓川はつながっているので
どこまで築地でどこから楓かがややこしいが
いまではみんな高速になっているので、やがて川の名も滅びるのだろう(さ)