わあああ、大王。胡留(うる)さんの上に乗るなっつーの。
胡留姐さんがおかんむりになったらどうしてくれるんだよ。
ご飯食べないとか、膀胱炎になるとか、
睨みの術で呪いをかけるとか、
胡留姐さんは報復手段をいっぱい持っているんだからね。
あんたみたいな剽軽族が太刀打ちできるタマじゃないんだよ...
....と、いくら言い聞かせても
相変わらず「胡留姐さん、胡留姐さん」とすり寄って行く大王。
ひっつくだけならまだしも、
巨大な顔を胡留さんに乗せてしまう大王。
大王にとって胡留さんは、姉であり仲間であり
「おいらが守りますぜ」みたいな存在であり、
また己の巨顔を乗せる台でもあるのだが、
胡留さんにとっての大王は侵入者であり、
「後から来たくせに図々しいわね、この子」という存在に過ぎないのだから
もうちっと気を使ってもらいたいのだが、
残念ながら大王は使うべき「気」を持ち合わせていない。
そこんとこが問題なのだ、大王。
頼むから、胡留さんの背中に巨顔を乗せるなどという暴挙は
胡留さんの熟睡中だけにしといてくれ。
胡留さんも眠っているときは寛容の精神が発動しているようだからね(さ)