ある駅の近くで昼飯を食う羽目になって、ラーメン屋に入った。
メニューに「五目ワンタン麺」を見つけた。
「五目」があやしい。
「五目」と「ワンタン」の合体は他ではあまり見ないメニューだぞ。
私はつくづく思う。
好奇心は身の破滅をもたらす。
ことに私の場合はそうなのだ。好奇心に負けてはいけないのだ。
しかし、今回も負けた。注文してしまった。
どんな麺がくるだろう。想像してみた。
成功例は、海鮮の五目そばにワンタンが入った感じのもの。
まあまあな例はワンタン入り湯麺だった。
いずれにしろワンタンが余計な気がするが、
しかしワンタンのあるなしにかかわらず、五目そばも湯麺もいいじゃないか。
そこにワンタンが入って何が悪い...と、無理矢理にでも思ったのだ。
しかし、現実は上の写真だった。どうもしらじらしい麺だ。
見るからにまずそうだ。
野菜の少ない湯麺にナルトにかまぼこ。
ワンタンの下には伊達巻きが一切れ隠れていた。
思わずたじろいだが、食べないわけにはいかない。
他に客もいないからどさくさに紛れて逃げるわけにもいかないし、
だいたい、調理場からこの麺をつくったお兄ちゃんがこっちを見ている。
参ったね、こりゃ...
スープが薄い。麺は部分的に集合していくつかの領土に別れ、
領土ごとにくっついて親睦している。
ワンタンも独立心がなく、隣人とひっつきたがっている。
どのくらい食べると義理が果たせるか。
「完食したかったんですが、途中で腹一杯になってしまって」という
言い訳ができるくらいは食べなくちゃ。
この反省を生かして、好奇心を抑える訓練ができればいいのだが、
それがどうしてもできない。
たぶんこれからも変なものを食べる羽目になるんだろうなあ。
我ながら本当に困ったもんだ(さ)