実のところは、小松くん、などと「くん」もつけずに呼び捨てているのだが
たぶんそれは、初めて会ったのが小松19歳のときだったからだろう。
19歳で夢の遊眠社という劇団の役者だった。
いまはラーメン屋の親父で、毎日ラーメンをつくり
休みの日はラーメンを食べ歩いている。
そもラーメン屋になったのも
ラーメンが好きで好きでという果てにそうなったのだ。
さて、小松のラーメン屋は出来てしばらくは昼も営業していたので
休みの日にチャリでふらっと食べに行くこともできたのだが、
夜だけ営業になってからはなかなか行くチャンスもなくご無沙汰していた。
三連休の真ん中に遊びに来るという連絡があって、本当にやってきた。
小松は元気そうだった。
ラーメン屋というものについて教えてもらったところによると
閉店時間を待たずに70杯〜80杯のラーメンが出ると売り切れになるそうだが、
麺とスープがあっても、卵を剥いていないとか焼豚を切っていないという理由で
売り切れにせざるを得ないのだそうだ。
暇な時間にやっている作業が、絶えずお客が来ているとできないからだ。
そんな日は私がざっと計算すると
3分45秒で1杯のラーメンを5時間作りつづけていることになる。
うわ〜、ラーメン屋もラクじゃないね、小松。
そうかと思うと、1時間半お客が誰もいないということもあるそうだ。
ひえ〜、ますますラクじゃないね、小松。
しかし、小松はたいへん元気そうだ。
もともと趣味が高じてはじめた素人ラーメン屋だが、
それなりにお客もついてくれているし
なにしろ素人だから商売人としての欲が希薄なのも幸いなのかもしれない。
宴会部長の胡留さんはちらっと顔を見せただけだが、
大王はちゃっかりと小松の膝に乗っていた。
あ、上の写真は小松のfacebookから拝借している(さ)