安西俊夫さんを囲む会は季節ごとにSpoonで開かれている。
なにしろSpoonは会議室のかわりに
ダイニングとバーベキューのテラスをつくったという
いちじるしく「食」を好む制作会社なので
今回もうまいものをたくさん用意してくださった。
蟹がかなりたくさんあった。
青梗菜と油揚げの煮たやつはうす味で、蓮根のキンピラはピリ辛で、
里芋と長芋と京人参を蒸して、
塩またはイカワタのディップで食べるのはかなりうまかった。
私はとびきりうまい目刺しを魚としさんから送ってもらっていて
私が到着したときは、すでにみなさん焼いて食べ終わっていたが
追加で焼きはじめるとやはり手がのびてきた。
安西さんはイノブタのベーコンを持ってきてくれて
これは焼くと脂身が口中で液体と化すうまいベーコンだった。
いっぺん、焼き網にのせたまま安西さんが忘れていて
ベーコンはボーボーと燃え、真っ黒になったひと切れがあったが
なんとこの黒焦げのベーコンがうまかった。
脂身がさらに液化していた。なんなんだ、このベーコンは。
そして蟹だ。蒸籠で蒸した蟹はうまいが、むくのがたいへん面倒くさい。
そこに水口さんが来た。
水口さんは金沢の出身で蟹をむくのがうまい。
しかもアートディレクターなので、蟹の身をたいへん美しく皿に盛りつける。
私は水口さんの皿から蟹を盗んで食べることにした。
オレンジの卵のあたりを狙った。うまいねえ、うん。
酒もワイン、燗酒、常温の酒、ウイスキーなど充実しており、
バーベキューの炭火の上にはテントが張ってあって焼くには何の不自由もない。
そういえば焼きフグ、焼きイカもあった。最後はむかご飯だった。
安西さんのいるところ、うまいものが集まってくる。
安西さんには一生ついて行こう(さ)