買い物に行ったらお囃子が聞こえていた。
地元の神社の祭礼で、ちょうど神輿が区民会館の広場に入ったところだった。
このあたりの氏神の烏山神社は駅から少し離れているが、
最後に神輿がおさまる神酒所が駅前の区民会館広場なので、
駅前に人がいっぱいいて賑やかだ。
神輿は神社を出て芦花公園の駅をまわってくるらしいのだが
詳しいルートはいまいちわからない。
烏山は、甲州街道の高井戸と調布のふたつの宿場の中間ということで
間の宿が設けられていた。
間の宿は宿泊はできないけれども休憩施設があったわけで
早い話がお茶と食事ができたということだろう。
当時は町なんかなくて村だったが
間の宿だったので商業で稼いでいる人たちも若干はいたらしい。
烏山神社がいつできたかはさっぱりわかっていないが
江戸は元禄のころの幕府の検地帳に「白山権現」としての記録がある。
白山といえば加賀の国に総本社がある白山信仰の神社で
祭神のキクリヒメはこれまたさっぱり正体のわからない謎の神だ。
一方で烏山村の氏神としては御嶽神社があったらしいのだが
江戸の末期にその御嶽神社を白山権現と一緒にして
白山御嶽神社ということにしてしまった。
まあ双方ともに修験道だから一緒にしてしまえということかもしれないが、
こういうのあまり良くないと思うのだが、
ふたつの神社を祀りきれなかったんですかね、村のみなさん??
神社とか神事とかいうものは遺跡と同じだから、そのままそっとしておくもので
そっと保存しておくとそのうち謎と謎が繋がって
日本の古代史や民族史や日本人の精神文化史がわかる日もくると思うのだが、
統合したり変えたりするのはいかんと思うよ、ホントに。
さて、そして祭りだが区民会館の広場の神酒所の裏方をのぞいたら
音響担当の人がいて、お囃子を流していた。
もう笛太鼓を鳴らせる人がいないのだ。
なんだか残念だ。私も笛は吹けないから偉そうなことは言えないが。
烏山神社の祭りが終わると、10月には粕谷八幡の祭りがある。
八幡と名がつく神社の祭神は応仁天皇だ。
この天皇がまた何というかその…皇統の切れ目にいる天皇で…
という話をはじめると長くなるのでやめる。
そして、同じ10月に上祖師谷の神明社の祭りもある。
神明社と名がつくと祭神はアマテラスだ。
神明社は鎌倉時代あたりから増えたと以前にきいたことがあるが、
もともと天皇家の神ということになっていたアマテラスが
民衆の神になったのが中世なんだな〜とわかるわけだね、うん。
神社は調べ始めるとなかなか面白いのだが
八幡さんと神明さんだといまいちユニークさが足りない。
しかし、どの神社も歩いて行ける距離なので、今年は見に行ってみようかな(さ)