小さな、といっても私の背より高いですが、柚子の木一本があります。
ここに引っ越したとき柑橘類を何か植えたかったのです。
いちばん欲しかったのはスダチですが、
本物のスダチは徳島の大麻比古神社の灯が見える土地でないとできないと
言われています。
大麻比古神社は鳴門市にありますが
灯りは徳島市の私の家からも見えていました。
奥の宮の常夜灯のことだと思います。奥の宮は大麻山にあります。
東京の世田谷からそんなものが見えるわけがないので
スダチはまっ先にあきらめました。
灯り云々はともかくとしても、日本は東と西で土が違います。
関東ローム層で育ったスダチは、柑橘には違いないけれども
たぶんスダチではないでしょう。
金柑もチラッと思い浮かべました。
金柑は咳止めにもなりますし、あまり大きくならないはず...と思っていたら
ご近所の庭で巨大な金柑を目撃しました。
さすがローム層です。もの皆にょきにょき巨大になります。
私の田舎の金柑の木なんぞ小さくてかわいいもんでした。
庭に木を植えるのは危険です。
狭すぎる私の庭は一本の木といえども用心をしないと
とんでもないことになります。
ふと、柚子が思い浮かびました。
柚子の馬鹿めは十八年。実を結ぶのに十八年かかるということは
成長が遅いのではないか、わりと小さいままいつまでもいるのではないか??
この考えはやがて甘かったと知るのですが
ともかく柚子を植えました。
植えたときにある程度は背丈があったので、2,3年で実がつくようになりました。
常緑なので葉っぱの陰で目立ちませんが、花も咲きます。
花もいい匂いがします。この花がやがて柚子になります。
しかし、やはり巨大になる性質のようです。
植木屋さんの剪定でなんとか押さえ込んでいるものの、
いまの時期はあっという間に長い枝がいくつもいくつも出てきます。
しかもですね、トゲがあって痛いんですよ、こいつは。
まあ、花は綺麗だし、実は役に立つし、いい奴なんですけどね(さ)