上のyoutubeを見ていたら、萩尾望都さんの声の後で猫が鳴いていた。
ニャオーン、ニャオーン、ニャアア、ニャアァ
ここを開けろとちゃんと訴えている。
撮影した場所は見たところ萩尾さんの仕事場だから、
この撮影のために閉め出されたということはすぐにわかる。
インタビューを受けている部屋の外で鳴いているので聞こえる声は小さいが
なかなか力強い主張をしていると思った。
故賢猫もときどきこんな鳴きかたをした。
猫はニャアと鳴くと思ってぼやぼやしているのは大間違いで
猫によって鳴きかたも違うし、声も違う。
上のyoutubeは、萩尾さんの作品目録によると
1994年のN響アワーという番組で放映されたものだ。
この猫は誰だろう。俄然気になってきたので
萩尾さんのマネージャー城さんにメールを出した。
返事をいただいた。「セラかラム」
なるほど。セラさんは私は見ていない。すでに亡くなっていた。
メールを読み進んでいると、最後に
「アシスタントのNさんがラムだろうと言っている」と書いてあった。
それから数時間、いまこれを書いている最中に突然思い出したのだ。
私はラムさんに会っている。
萩尾家におじゃましたときにラムさんがいた。
すでに高齢だったが美形の猫だった。
萩尾さんにササミを茹でてもらって、細く細く割いてもらって食べていた。
そういえば、私が猫にはササミをあげるものだと脳内に刷り込まれたのは
ラムさんとササミの光景を見たからだ。
う〜、なんだかいろんな記憶がよみがえってしまって
猫の声が似ているとかいう問題ではなくなってきたなあ。
ラムさんが亡くなって、いま13歳くらいと思われる玉姫さまが来るまでに
確か短命だった猫が一匹いたと思う。
いい加減なことを書くとファンに叱られそうだが
行方不明になって、探し歩いて、交通事故で死んでいるのが見つかってという
そんなことだったような記憶がうっすらある。
玉姫、鈴姫、それから性格のいいレオくんが来て、
ああ、いろんな猫が...そして私のところにもいろんな猫が来て...
猫の記憶はどうしてこんなに突然竜巻のように襲ってくるのだろう。
そして、猫飼いはみんな猫で苦労しているし、
死なれてつらい思いもいっぱいしている。
だから私はかつて飼っていた猫に似た声が気にかかったりもするのだし、
施設の成猫が里親希望者に引き取られるときは
以前飼っていた猫に似ているからという理由が多いそうだ。
(そうでなければやっぱり子猫が選ばれて引き取られていく)
そして猫飼いは猫を飼うのだ。
似ているとか、かわいそうとか、かわいいとか、
自分が引き取らねば引き取り手がいないだろうとか、
余生を自宅で送らせたいとか、
いろんな理由をつけて、どうしようもなく飼ってしまうのだ。
なんてこった(さ)