何かの本で読んだ気がしたのだ。
肥やしと土を底に入れて水を張った瓶に植えておけば
ころころと小さいのが収穫できるというような話を。
そこで、去年の暮れにいただいたのを植えつけ用に少し取りのけておき
暗いところに乾かしたまま放っておいた。
なにしろ乾いたままなので腐りはしないが、芽も出さない。
変化のないまま半年ほど過ぎたところで
やっと緑の芽がほんのちょっと顔を見せたので
さてこそとばかりに植木鉢と水栽培を半々にしてみた。
瓶と土と肥料で育てるのは自信がなかったので
まずは簡単にためしてみようと考えたのだ。
鉢植えよりも水栽培の方が厄介で
ヒヤシンスのように水に浸けっぱなしではカビが生えてしまう。
水を干したり入れたりする要領が要るのだが
なに、そんなものはたいしてむづかしくもない。
植木鉢のはなかなか成長しないが
水栽培のはあっという間に芽は茎となり、葉を展開しはじめた。
うん、かわいいやつだ....
しかし、ここに至ってなにやら胸騒ぎがする。
どうも、なにかが違う。
胸騒ぎのまま数日が過ぎ、その原因がやっとわかった。
土と肥料を底に入れて水を張った瓶に植えつけるべきは
里芋ではなく慈姑だったのだ。
私は間違えて里芋を植えてしまったのだな。
まあしかし、観賞用ならばいいのではなかろうか。
涼しそうだし...(さ)