ヤモノイモ科というのがあって、調べてみると8属800種に別れるらしい。
800種もいるとえらいことなので大ざっぱなところをさらに調べると
私たちが親しんでいる山芋のみなさんは
ヤモノイモ科ヤマノイモ属ナガイモ種というグループに
おおむね属している。
長芋、ツクネ芋、ヤマト芋などがこれにあたる。
長芋は鼻たれで摺りおろしても始末に負えず、そのまま切って食べるが
ヤマト芋、ツクネ芋などは粘り気に根性があって
摺りおろしてもスリコギにまるごとひっついてくるほど固い。
さて、写真の自然薯はというとナガイモ種に属さず
ヤマノイモ科ヤマノイモ属ヤマノイモ種という種を孤高に形成している。
もう数十年も昔に静岡の友人の家に遊びに行ったとき
ご近所で天然の自然薯を売っていて
これはタイヘンだタイヘンだとばかり買ったことがあるが
山で掘った天然ものはそのくらい貴重なものだ。
あまりに深く掘らないと取り出せないので
みんなで自然薯を掘りまくると崖崩れを起こすことがあるようだ。
げに恐ろしい食べ物ではある。
しかし幸い食い意地にかける人智というのもすさまじいもので
いつからか知らないが、人は自然薯を栽培するようになった。
栽培といっても普通の畑では無理なので
自生している状態の土にしてやる必要がある。
つまりは有機栽培というやつだ。
山の栄養が凝縮された自然薯を人の手でつくろうとすると
いったいどれだけの有機肥料が必要か...
栽培とはいってもそうそうご気楽に買える値段にはならない。
写真の自然薯はいただきもので
これを見たとたん、大晦日のメニューが決まった。
とろろご飯ですよ、もちろん(さ)