キース下田さん(下の写真)と約束した時間は20時だったが
20分以上前に麻布十番に到着してしまい
あまり縁のない町なのでものめずらしくてあたりをうろうろしていたら
屋台のように見えるヤキトリ屋があった。
よく見ると屋台ではなかった。
肉屋が縁台を出してヤキトリを食べさせているのだった。
なるほど、肉は売るほどあるのだし
昼間は鶏肉店、夜はヤキトリ屋という二毛作はかしこい。
時間を考えるとヤキトリの1本や2本は食べられそうだった。
が、寒かった。あまりに寒かった。
このままではヤキトリどころではない、酒を飲んだ帰りが危ない。
寒さに耐えながら外でヤキトリを食うか、
それとも洋品店をさがしてセーターの一枚も調達するか、
よくよく考えて洋品店をさがすことにした。
洋品店はすぐ見つかったが、セーターが見つからなかった。
厚手、いらない。とっくりもいま着ている服の都合から無理だった。
前ボタンもイヤだ。ボタンがあるとボタンをかけなければいけないのがイヤだ。
Vネック、おおっこれにしようと思ったが胸ポケットに余計なデザインがある。
私が日ごろ着ているだらしない服とは正反対のトラディショナルな店で
私のだらしない服に合うセーターを買うことに無理があるのだ。
すでに私はいまはいているズボンはジャージですぜと店の親父に告白していたし
それ以降、親父もアーガイルのセーターなんぞをすすめなくなっていた。
丸首のグレーがあった。薄くて軽くて柔らくていい艶だ。
やばいぞ、こいつは。値段は怖いので見ないことにした。
いちばん大きいサイズを着てみたらほどよくダブッとしてくれたので
値段を耳にして多少よろめきつつも
それをすみやかに買って待ち合わせの店に急いだ。
あんなに早く麻布に着いたのに6分の遅刻、ヤキトリなし、セーターあり。
あとから来たオカムラさんは店でも寒いと言っていたので
やはりセーターが正解だったかもしれない。おかげで帰りもあたたかかった。
しかしヤキトリ何本分のセーターなんだろう。
こんどヤキトリも食べてみたい(さ)
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