赤い芽の色とそのたくましい太さがどうもそぐわない感じがするけれど
「たくましい」を「たのもしい」と言い換えればいいのかもしれない。
この連中は石と石の隙間にガッシリと根を張って
土が流れ落ちるのを防いでくれている、いわば植物の堤防のようなものだ。
傾斜地や盛り土の花壇などは大雨が降ると水が流れるし
日ごろの水遣りでも気をつけないと流れることがあるので
どうしても土止めが必要なのだけれど
植物の根を利用するというのはコンクリよりははるかにいい方法だ。
利用できる植物としてはよく
タマリュウなどが紹介されているが
これは後々後悔すると思う。
つまり植物のことに多少くわしくなったときに面白くないのだ、タマリュウくんは。
しかもいっぺんはびこると撤去がタイヘンなのだ、こいつは。
木や草は本当によくよく考えて植えないとえらいことになる。
しまったと思ったときは木は育ち、タマリュウははびこり
撤去するときにまわりの植物まで滅んでしまう羽目になる。
かくいう私の庭も最初に植木屋1号が植えた木は残っていない。
植木屋2号と植木屋3号によって撤去されている。
家は棟梁まかせで建ったが、庭は植木屋まかせにしたのが失敗だった。
いや、植木屋3号ならまかせてもよかったのだが
その頃は自分の好みもよくわかっていなかった。
ガーデニング雑誌に載っているような花が好きでなく
山に咲く花が好きなことや
松や槇やモッコクが嫌いで落葉する雑木が好きだということは
ハエタローの額よりも狭い庭を持って初めて知ったことだった。
そろそろ庭がいい季節を迎える。
私は春の芽出しの頃がいちばん好きだ(さ)