鳥といえば、むかし松江のフォーゲルパークで
無数のインコにわらわらとたかられたことがある。
フォーゲルパークは花と鳥のテーマパークで
熱帯の鳥が多いためにもっぱら巨大な温室の連なりで構成されている。
ここに昔はインコの温室があり。
記憶によるとインコだけでなくさまざまな花と鳥がいたようにも思うが
温室内の売店でインコの餌と称して50円で紙コップのジュースを売っていて
それを手にしたとたん、インコがわらわらと集結するのだった。
作日の鳩とどっちがどっちともつかない集団であり、
インコは身の軽さを武器に髪に止まり肩に止まり指に止まった。
上着の襟に足をかけて「鶯の身をさかさまに」を実践しようと志すインコもいた。
紙コップのジュースはあっという間に空っぽになり
私は10杯くらい買ったように思う。
その8杯めか9杯めのときに、気づいたことがあった。
インコのヤツらは土産を残すのだ。
糞ではない。糞ならば怒るのだが、そうではない。オシッコなのだ。
インコはミルク飲み人形のように、ジュースを飲んだとたんに
いまジュースを与えた人間の服や髪やシャツにオシッコをひっかけるのだった。
たまに間違えて案内してくれた県庁の職員の人や林屋さんにひっかけるインコもいたが
おおむね私のシャツにかかっていた。
しかしそれは無色透明で匂いもなく、一滴の水のようだった(なので怒っていない)
原料が野菜ジュースで、インコの体内で「野菜」が吸収され
水分(というか本当に水だったが)が排泄されるらしかった。
インコのオシッコに較べて人間のそれはまだまだ浄化されておらず
さまざまな雑成分が残っているのだなあと思った。
しかし、それにしても
昨日の鳩はあれだけ集結しても私に糞のカケラもひっかけなかったが
あのインコ集団は態度としてはちょっと無礼なのではないだろうか。
とはいえ温室に来ていた子供たちは大喜びでインコまみれになっていた。
10年ほど前に発生した鳥インフルエンザを警戒して
インコの温室はなくなってしまったらしいがそれもなんだか残念に思う。
いまはこんな風に餌を手にすると
派手なクチバシのオオハシという鳥が手や肩に止まってくれるようだ(さ)
松江フォーゲルパーク:
http://www.vogel.jp/index.html