ここ数年来ムクドリの写真を狙っている。
ムクドリはなかなか撮れない。警戒心が強い。
公園の山桃の実が成ると盛大に集まってくるが
遠くからでもカメラを向けると逃げる。
植木屋の畑でも見かけるので非常にたびたび通勤のときに寄るのだが
これも逃げられる。
ところがある日、まさかの電線に二羽いるのを見た。
高いところにいて油断しているせいかカメラを向けても逃げなかった。
なんじゃこりゃ、とゆっくりピントを合わせてまず1枚。
しかし逆行気味だし、別の角度からと思って数歩歩いてカメラを向けると
奴らは突然気づいてバサバサと飛んでいった。
この意味がわからない。
歩いていた私がいて、逃げないムクドリがいて
カメラを向けた私がいて、逃げないムクドリがいて
シャッターを切った私がいて、逃げないムクドリがいて
さらに数歩歩いた私がいて、突然逃げたムクドリがいる。
ムクドリの警戒心はどこに存在するのだろう。
二度めの撮影で警戒心が発動するならば
なぜ最初のときは油断していたのだろう。
ムクドリにはムクドリの事情があるのだろうとは思うけれど
それがわからない。どうもわからない(さ)