私の家からすると駅の向こう側になるのだが
そう、その「駅の向こう側」に誰も着ないような服を売る店があった。
「誰も着ないような」という説明がむづかしいが
強いて説明するならば昭和の70歳以上の田舎の婆ちゃんが
もしかしたら着たような服ばかり売っている店だ。
いままで目に留めたこともなかった、
その存在を認識したことすらなかったのだが
とおりすがりにふと考えたのだ、この店にモンペがあるかもしれない...と。
店先に積み上げてある黒っぽい布のカタマリを手に取ったら
うわ〜、まさかのモンペだった。
しかしサッカー地に細い縞模様だのどうもパジャマ柄ばかりだ。
モンペとしてはモダンなつもりかもしれないが
モンペがモダンを志向するとパジャマのズボンになるのは困る。
すみません、このモンペですが他の柄はないですか。
「これはねえ、スラックス」
えええええ〜〜〜〜(驚愕)
「足首が締まっているのがモンペ、これは締めてないからスラックス」
店のおばちゃんはきっぱりと言い切った。
しかたがないモンペ論で争うのをやめて自力でさがした。
1枚だけあった。まあこれならいいか....
山形で買ったモンペに似た柄のが1枚だけあったので買った。
Mサイズで2000円だった。山形は1300円だ。
それにしても誰が着るのだろう、これらの服は。
この世田谷のはずれのどこかに秘境があって
これらの服を着た婆ちゃんが生息しているのだろうか。
それが本当に不思議だ(さ)