秘湯会の畑のじゃがいもが収穫の時期を迎えている。
今年はアンデスの赤いじゃがいもだ。
掘ってみると巨大なのから親指の先ほどのチビ芋まで
ごろごろ出てくる。
チビサイズのものは油で素揚げにするのが何よりの楽しみで
これとカリカリベーコンのために私は新聞紙を買う。
(新聞紙を買ってきてと人に頼むと新聞と言えと怒られるのだが)
大きなじゃがいもは肉類と一緒に煮込むとうまい。
このために冷凍庫にはすでにアイスヴァイン(塩漬けの豚すね肉)を
待機させてある。
うす切りにしてベーコンと炒めてもうまい。
ポテトサラダ、もちろんうまい。
たまにだが細長く切ってシャキシャキくらいの固茹でにして
酢の物にすることがある。
これは何だろう...みなさん首をかしげながら食べている。
じゃがいもは南米土産としてスペイン船でヨーロッパに伝わったが
最初はえらい評判が悪かった。
運ぶ途中の船のなかで芋の芽の部分を食っちまって中毒したという
話もあるし
エリザベス一世の料理人も芽や茎の部分が食用になると勘違いして
女王陛下まで死にかけたというエピソードもある。
しかしこれ、ほんまですか、毒味しないですか、普通??
こんな風にあちこちで中毒事件を起こしながらも
じゃがいもは遥か東の日本に伝わり
いまや世田谷のはずれの区民農園で収穫されている。
野菜はそもそもが冒険家で
原産地から遥か彼方まで旅をして広まっているのだが
これだけ悪い評判を立てられながらも
世界各地の飢饉を救済した野菜は他にないと思う。
じゃがいもはえらい...
そうだ、新聞紙を買ってこよう(さ)