もう出口が見えているというのに
毎日だいたいこのあたりで力尽きている。あと20段くらいのところだ。
地下鉄有楽町線の駅は深い。
近ごろはエスカレーターが止まっているので階段を昇る。
ホームから改札へ行くまでにまず階段があり
改札を出てから地上へ出るまでに、
私の場合は出口の選択によって150段または119段になる。
そのうち100段までは何かを呪ったり我が身を儚んだりすることなく
どうにかこうにか昇る。
119段コースの場合、100段昇って上を見ると写真のような展望になり
もうあとわずかなのだが、ここで息が切れてしまうのだ。
(あ、文句をいっているわけではありません)
痛くなった呼吸器に手を当てて息を整え、
といってもたいして整わないがともかく最後の階段を昇りきったときは
多少の達成感があっても良さそうなものだが、まったくない。
たぶん達成感をもたらすには段の数が足りないのだろう。
(あ、増やさなくていいですからね)
それにしても動かないエスカレーターほど邪魔なものはない。
昇降のために片側2車線の幅を用意してあっても
その1車線をうごかないエスカレーターが占めると
人が通行できる部分は半分になる。
市ヶ谷で有楽町線に乗り換えるときはエスカレーターが動いているが
これは駅の構造が完全にエスカレーターに頼り切っていて
階段の幅があまりにも狭いからだ。
昇降合わせて4車線のうちエスカレーターが3車線を占めているので
階段は一列縦隊で進める幅しかない。
これでは昇る人と降りる人を同時に受け入れることはできないと思われる。
こういうことが見えてきたのも節電のおかげで
いままでは毎日見ていても関心を持つことがあまりなかったのだ。
以前、福井から来た人が東京の人は足腰が丈夫だと驚いていたが
確かにそうだ。
どうも私以外の人はタンタン元気に階段を昇っているように見えるし
立ち止まる私を振り返る余裕まである。
単なる息切れです、気にしないでください(さ)