他人の畑なのでそばまで行ってしげしげと見るわけにはいかないけれど
明らかに菜の花が咲いている。
手前のわざわざした葉は大根だけれど
この菜の花は何の花だろうと記憶を辿ってみるに
どうも小松菜のような気がする。
そういえば門のそばの無人売り場で小松菜を売っていた。
あの小松菜が花を咲かせたのだろう。
しかし、収穫し忘れたわけではあるまいし
収穫が面倒だったわけでもあるまいし
鑑賞したかったわけでもないだろうと考えて、ハタと思い当たった。
種を採るためかも...
するとこの小松菜はF1ではなく固定種ということになる。
いま農家でもっぱら使っているのはF1と呼ばれる種で
簡単に言えば一代雑種。規格品の大量生産が出来る。
そのかわりF1の種を撒いても親と同じ子供はできない。
祖父母の良いところばかりを受け継いだ親(一代雑種)の子は
こんどは劣勢の遺伝子ばかりが表面にあらわれるからだ。
こんな種を採ってもしかたないので
F1を栽培する農家は毎年F1の種を買っている。
ところが、固定種は違う。
固定種は何世代にもわたって淘汰され、選抜されてきた種だ。
大きさや形は不揃いだけれど、その土地に適しているし
個性があってうまい。
この菜の花が種を採るためのものでありますように(さ)