写真の仕事場には何度か押し入ったことがある。
ここの主が電話に出ないからだ。
メールの返事がこないからだ。
そんなとき、この部屋のドアをガーン!と大音量を立てて開けると
無精髭だらけの坂出雅海さんが寝不足の顔で私を見て
ボーッとした声で「あ〜、びっくりした。」などと言う。
電話は?メールは?と問いただすと
電源を切ったまま忘れていたり、紛失中だったりする。
厄介だ。しかし、その厄介のおかげで
この仕事場というものを私は何度も観察することができた。
ここは面白い。最高に最低というべき散らかりかただが、
そこが私は好きだ。
壁はコンクリの打ちっぱなしだが
紙類と布類(坂出さんの衣類)が散らかっているので
適度に吸音の役割を果たしている。
Tokyo Copywriters' Street をここで
つまり
坂出雅海さんの仕事場で収録するのはどうだろう(さ)