どうも最近は読み手や聞き手に辛抱というものがなくて
言いたいことの半分くらいしか伝わっていないような気がする。
たとえば、「君の良いところはここで悪いところはこれ」と
誰かに言ったとすると、「良いところはここ」だけが
クローズアップして記憶されている。
こちらとしては「悪いところはこれ」を言いたかったので
これはどうも困る。
「先日お褒めにあずかって...」などとメールがくると
頭を抱えて、う〜う〜唸りたくなる。
しかもこの現象はある年齢以下に起きやすい。
我々の、といってみんなを巻き添えにしてしまうのだけれど
我々の仕事をひと言でいうとコミュニケーションなのだが
そのコミュニケーションを仕事にしている同士で
こういうことが起こる。
これは伝え手としての私が伝える手段の更新を怠っていたせいだ、たぶん。
相手によってはいきなり、たとえばメールの二行目くらいから
ズバズバと書かなければいけない、とか
もっと褒めて褒めて褒め殺さなければいけない(厄介だ)、とか
手段の多様化も求められるのかもしれない。
そういえば役者の中には自分をほめる言葉しか耳に入らない人がおり
それさえ聞き取ってしまえば用はないとばかりに
こちらの話をさえぎって自分がしゃべり出したりする。
そういう連中にこちらの言いたいことをどうやって伝えればいいのだろう。
伝えるということは余程むづかしいのだろうと思うし、
むづかしいと考えて、
「本当にこれでいいのか」といつも反芻していなければ
コミュニケーションの技術は身につかないのではないかとも思う。
さて、先週あたりに噂をきいたのだが
山本高史が「
伝える本。」という名の本を出すらしい。
先週そんな話をきいてさがしてみたら
ネット書店ですでに予約を受け付けていた。
発売は18日らしく、これはなんと
Tokyo Copywriters' Street の放送日で、
その日の執筆者は山本高史だったりする。
私がこの出版の噂を聞いたのが、まさに番組の録音中で
ちょうど執筆者紹介の短い告知を録っているところだったので
出版のお知らせも急遽つけ加えておいた。
なんと絶妙なタイミングだろうと驚いたが、
もしかしたら好機を呼び込むのも
コミュニケーションの高度な技術かもしれない。
山本高史が広告を教えている講座からは
毎年不思議なくらいTCC新人賞の受賞者が出ているが
教えるのがうまいということは、つまり(乱暴もののくせに)
コミュニケーションの技術に優れていると思われるのだ(さ)
*Tokyo Copywriters' Street ライブ
詳細はhttp://tcss.seesaa.net/article/138169799.html
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