この道を行く。
写真の左の金網の中には烏骨鶏がいる。
右にはアロウカナの卵と野菜を売っているスタンドがある。
この道を行く。
アロウカナの卵を買いに行く。
あっ、売り切れだ。
翌日また買いに行く。クソッ今日も売り切れだ。
数日間、この道を通り続けても買えないことがある。
またこの道を行く。
アロウカナの卵のそばには「卵パックのリサイクルにご協力を」
と、書いてある。
卵パックを返すためにこの道を行く。
しかし、返しに行ったスタンドの前で気づくことがある。
いかん、肝心の卵パックを忘れてきたぜ。
卵パックを持たずとも脳は「この道を行け」と足に命じた。
ここで考えてみる。
卵パックを持たずに遠まわりのこの道を行くのと
卵パックを持ったままこの道を行かずに会社へ行ってしまうのと
どっちがいいだろう。
答えは歴然としている。卵パックを会社に持って行くのはイヤだ。
そんなわけで、しょっちゅうこの道を行く。
烏骨鶏はアロウカナほどフレンドリーではないが
たまに死んだフリをしてみせてくれる。
先日は孔雀の声も聞いた。
孔雀とは友情を育んでいたのだが
奥の囲いに移されてしまってもう姿を見ることはできない。
もしや売られていないかと心配していたけれど
先日聞いたあのケーという鳴声は孔雀だった。
よかったね、無事で。
この道沿いの畑にはさまざまな作物が実る。
蜂や蝶が飛んでいる。
この道の手前にはツバメの巣がいくつかある。
秋は樹々の葉が赤や黄色になる。
冬の水たまりに氷が張っているのを見られるのは
このあたりだけだ。
なんだかんだでこの道を行く。
この道は面白い。
しかし、このところアロウカナの卵が買えない(さ)