冷やし中華の具としていままで私が見かけたものは
刻んだ胡瓜、茹でたモヤシ、焼豚、火腿(中国のハムでうまい)、
蒸した鶏肉、トマト、紅生姜、カニかま、ピータン、
薄焼き玉子、ゆで卵、ワカメ、シイタケ、春雨などがあり
ときと場合によっては焼豚のかわりに刻んだナルトが入っていたり
刻んだネギがのっかっていたりエビが乗っていることもあったし
そういえばメンマやレタスが入っていたこともあった。
あまりに贅沢なので注文したことはないが
蒸しアワビの入った冷やし中華のメニューも見たことがある。
写真の冷やし中華は700円だが
脂身のきわめて少ないさっぱりした焼豚と蒸し鶏が入っている。
どちらかひとつでよさそうなものを健気な心意気だ。
そういえば、いまはなくなってしまった駅の近くのラーメン屋は
別においしくも何ともなかったのだが
冷やし中華の胡瓜が素晴らしく細く美しく刻んであった。
味付けは親父さんで胡瓜を刻むのはおかみさんだったが
これだけ包丁を使えるのはどういう人だろうと
その切りかたの美しさに見惚れたことがある。
冷やし中華の胡瓜はどちらかというとポリポリした歯触りが邪魔なのだが
あの胡瓜ならば邪魔どころかかえっておいしい。
それにしても
ポリポリやシャキシャキでないものは
ハムでも焼豚でも薄焼き玉子でも冷やし中華になじむのだが
レタスや荒く切った胡瓜はなじむというよりも個別の存在感がある。
(トマトは論外で、具というよりむしろ添え物)
しかしそうはいっても少しは野菜も食べたいわけで
冷やし中華の具というのは意外とむづかしいものかもしれない(さ)