原田芳雄、小澤征悦、北川智子、りりィ、フジ子・ヘミング 、
柄本明 、鈴木京香、平田満、樹木希林、渡辺謙、岸部一徳、
松重豊、豊川悦司、広末涼子、田中麗奈、田中裕子、
テリー伊藤、綾田俊樹、高橋克実、角替和枝 、松尾スズキ、
ねじめ正一、阿部サダヲ、長塚圭史....
市川準監督の映画「ざわざわ下北沢」には
恐ろしくなるほどの大量の役者が出演している。
(上記はほんの一部)
メイン以外はほんのちょい役の人々がほとんどだ。
一部をのぞいてアップのシーンもないので
家庭用のテレビモニターで(しかも小さい画面で)見ていると
気づかないまま通り過ぎてしまう。
ある意味でそれは正しく、この大量の役者の皆さんは
下北沢という街の、通り過がりの人々を演じているのだ。
フリーマーケットの女、車椅子を押す女、
年上の未亡人に恋をする青年、
劇場にチラシを置きにくる脚本家(豊川悦司とは知らなんだ)
怪しい男だと思ったら私服刑事だったり(もちろん岸辺一徳だ)
ただATMでお金をおろしているだけの男(テリー伊藤)だったり
小劇場の役者だったり(まんまじゃないか)
しかし、通りすがりの人でもそれぞれに人生があり
わずかなシーンとはいえその人生の一部を切り取るわけだから
だれにどの人生を背負っていただいてどの部分を切り取るか、
その配置図には監督も苦労したと思われる。
「ざわざわ下北沢」はタイトルの通りざわざわと人がざわめいており
ときに主役の声を邪魔するくらい周囲のざわめきの音が侵入してきて
それがまたざわざわ感を出している。
まったくもってざわざわ映画なのだった。
そういえば友人知人の役者のなかでも
若い頃にこの街に住んだ人が何人かいたのだが
特筆すべきはK俣さんの住んでいたところで
噂によると「玄関を開けるといきなりお風呂」だったそうだ。
実物を見ていないのが実に残念なのだった(さ)