ACCというのは社団法人全日本シーエム放送連盟のことであり
年にいっぺんCMフェスティバルを催して出品作を募り
審査員を二泊四日の間缶詰にして入賞作を決める。
そのほかに数年に一度「殿堂入り」の作品を選出している。
少し前にその審査員を命ずというような通知がきた。
実のところ自分の作ったCMが「殿堂入り」することを思うだけで
年寄りになったような気分になるし、敬遠気味だったのだが
その審査員ともなると、もっと年寄りということではないか。
参った参ったと警戒しながら招集に応じたのだった。
部屋に入ったとたんに目に入った丸顔が小田桐昭さんだったが
その隣に麻生がいた。
あそ〜、よくぞいてくれた。私はうれしいぞ。
きみがいるということは年寄りで呼ばれたのでもなさそうね。
さらに目を転じると井田さんがいた。
もう安心だ、年寄りという理由で招集されたのではない。
かなり警戒心を緩めた。
しかし、その場で「殿堂入り」を決めてしまうのかと思っていたが
それは大間違いだった。
しかも「年寄りのおっしゃることには従いますぜ」という
私としては珍しく素直な心で出席したのであったが
そうはいかないことも判明した。
「怒れるシニア...」
「なるたけ議論を長びかせ...」
「どんどんケンカして....」
などという小田桐さんの不吉な言葉が頭上を通り過ぎていった。
私はどうやらケンカ相手として呼ばれたらしい。
最近はどうも本物の年寄りがお元気であらせらるる(さ)
あ、いままでの殿堂入りはここから見られますよ。
http://www.acc-cm.or.jp/festival/dendou.html