築地六丁目七丁目あたりを私はディープな築地と呼んでいるが
そのディープな築地に小さな銭湯がある。
私はまだ入ったことがないが
世界最小規模の温泉好き団体である秘湯会は
会長副会長とも入湯済みだ。
ディープな築地は朝が早いという伝統があって
朝が早いということは夜も早じまいだが
この銭湯はそれでも午前0時頃まで開いている。
その近くに午後9時に閉まるトンカツ屋があって
そこのご主人は銭湯マニアだ。
どのくらいマニアかというと、東京中の銭湯をほぼ網羅しており
それもただ入浴するだけではなく
たとえば私の町の××湯の息子が◎◎という蕎麦屋をやっている...
などという縁戚関係にまで詳しい。
これは実に正しい銭湯マニアのありかたで
銭湯というのは大勢の人が集まる場所だから
当然ながら情報も集まってくる。
銭湯が好きな人は地元の情報に詳しい。
しかし、あくまでも地元である。
築地のマニアが世田谷のはずれの情報に詳しいということは
そうそう起こりえるものではない。
この事態に驚いた秘湯会副会長は
飲むことを中断して寿湯に潜入し、
敵情視察に努めようとしたのだが
惜しいことに男湯は貸し切り状態で他に客がいなかったそうだ(さ)
*写真上、築地の寿湯。写真下、秘湯会地元の銭湯。